東紀州地域には、農林水産物やそれらを原材料とした
加工品が数多くありますが、地域外のスーパーなど小売店に
毎日、定時に納品できる物流システムが
構築されておらず、その多くが地域内で消費されています。
そのため、東紀州地域の農林水産業は、担い手の高齢化や後継者不足により産業として成り立つことが
困難な状況になっています。
そこで2012年に、(株)百五経済研究所が中心となって開始したのが「東紀州地域物流・流通トライアル事業」です。
東紀州地域の農林水産物や加工品を、消費者が多く住む北勢・中勢地域の物流センターへ搬送しスーパーなどで販売する試みにより、物流・流通面での課題や今後の対応策を探りました。
「デポ(物流拠点)を活用した集荷から配送までの 新たな物流システム」の構築
東紀州地域を毎日出発する便がないのであれば、北勢地域のスーパーに毎日輸送する便が確保できる地域に中継基地を作って、そこに商品をあらかじめ保管しておこうという発想で、第二回目のトライアル事業を実施しました。
第二回目のトライアル事業には、県内のデリバリー(集荷・配送)と冷凍・冷蔵・常温のデポ(物流拠点)を持つ大王運輸(株)が参加し、事業化のめどがつきました。
冷凍食品など長期間の賞味期限がある商品は、ある程度の量を一度にデポまで運んでおいて、必要な時に必要な量をピッキングしスーパーに並べようというものです。
大王運輸(株)は、帳合・保管からラッピング・ピッキングに配送・陳列、商品管理と従来の物流事業者の枠を超えた、様々な業務を担いました。
「デポ(物流拠点)を活用した集荷から配送までの 新たな物流システム」の構築
これまでのトライアル事業は(株)百五経済研究所が中心となり販売店を1店舗に限定した取組みでしたが、
2014年4月からは大王運輸(株)が単独で事業を継続し、販売店を3店舗に増やして
「東紀州コーナー」、「志摩・紀勢コーナー」、「伊賀コーナー」の三地域の商品を3ヶ月ずつのローテーションで販売しています。
これにより年間を通した特産品の販売が可能となり、生産者の皆さんは年間を通じた生産計画が立てられ、取扱量も増えることになります。
更に、「たべねっとみえ」は、各地域の生産者の方に自慢の商品を登録していただきホームページで紹介することで生産者さまと消費者さまをつなぎ、さらに、商品の集荷・保管・配送を行い、各地域の「美味いもん」を県内の皆さまにお届けする仕組みを作りました。
なお、当面は「東紀州地域」「志摩・紀勢地域」「伊賀地域」の商品を取り扱い、スーパーサンシさま3店舗、一号館さま特定店舗でのスポット販売を行っていきます。